【物語】もしも科学と宗教の立場が逆転していたら

コンコンコン

科学者「すみませーん。」

住人「はーい ! 今行きまーす !」

ガチャ

住人「こんにちは、神のお導きを。それで、どうされました ?」

科学者「疑問には思いませんか ?」

住人「は ?」

科学者「何故空は青いのか ? 何故水をかけると火は消えるのか ? 何故リンゴは」

住人「あーはいはい」

住人「もういいよ、わかったわかった。そういうの間に合ってるんで。」

科学者「雷は人工的に再現ができ、これを使うと」

住人「うるせぇな、もういいって ! だいたい神鳴りを作るなんて冒涜にも程がある。二度と面見せんなよ !」

ばたん



工場

~~~

従業員「お待たせ致しました、お客様。ご用件は何でしょうか ?」

科学者「私どもは電気を提供している者でございます。御社でも電気を使ってみませんか ? 」

従業員「申し訳ございません、弊社では科学振興・科学勧誘等は禁止されております。」

従業員「お引き取り願います。」

ぺこり

科学者「待って下さい、電気を使えば作業効率がぐんと向上します。ですので」

従業員「夜でも太陽のように明るい、でしたか。灯りであれば蝋燭の火で間に合っております。あなたもそんな非宗教的な活動なんてせずに、真っ当に働いたらどうですか。」

科学者「一度話だけでも」

ばたん

教会

司教「神のご加護があらんことを」

司教「いかがなさいました ? 懺悔であればこちらへどうぞ。」

科学者「目を覚ましてください。雷は電気によるもので、天候はある程度なら予測ができ、病は神のご加護では治らない。つまるところ神等という者は存在しないのです。」(早口)

司教「嗚呼、なんと愚かで哀れな御仁でしょうか。あなたのような人であれ、神に祈りを捧げ許しを乞えばきっと神はそのような蛮行もお許しになるでしょう。」

科学者「ですから、神等というあるかもわからないモノに縋らないで下さい。科学というのは人の生活を豊かにする素晴らしき学問であり技術であるべきなのです。真に人の営みを憂慮するのであれば、わかるはずです !」(超早口)

司教「私もまだまだ力が足りないとわかりました。さらに精進を重ね、いつかあなたのような方が居なくなるように努めようと思います。」

司教「本日のところはお引き取り下さい。」

エピローグ

いつも通りの扱いを受ける科学者。

だが、科学者はめげない。我が行いで救える人達がいる。まだ賛同する者があるならば、進む

科学者団体は歩みを止めない。

科学者は今日も足を動かし続ける。

(続かない)

~閉幕~

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